獣の奏者 エリン

「霧の民」と呼ばれる母を持つ少女・エリンは、闘蛇村で生まれ育つ。そこは危険な獣である闘蛇を、争いに用いるために飼育する村であった。闘蛇の診察を生業とする母と、エリンは二人で静かに暮らしていた。そんな穏やかな日々に、ある事件が勃発する。それは闘蛇の不審な大量死であった。真っ先に疑われ、処刑が決まる母。エリンは母を助けようとするが力及ばず失敗する。母は最後の力を振り絞ってエリンを逃がし、処刑される。 その後、エリンは偶然ジョウンという蜂飼いに拾われる。ジョウンと過ごす中で、母を失った悲しみは少しずつ和らいでいく。そんな中出会ったのは、闘蛇をたやすく屠る美しき獣、王獣。一目見て虜になったエリンは、獣を対象とする医者になることを決める。